家を建てる!と決意してからの手順や全体スケジュールを理解する

家が欲しい!
そう思っても多くの人がなかなか前に進めない。
それはなぜか?

きっと多くの人が、どう進めていけばよいのかがわからないのではないか。

家を建てるためには沢山の決断をしなければなりません。
さらに、お金のこともしっかりクリアーしなければ動き出せません。
土地は?間取りは?設備は?ローンは?
考え出したら不安でいっぱいになることでしょう。

その不安を解消するためには、まず、家を建てるための全体の流れを把握しておく必要があります。
ここでは、家を建てる手順をしっかり理解して、この先何を検討し、どう動けばよいのかの全体像を把握できるようにしておきましょう。

家を建てるための手順の全体像

まず、家を建てるためのに必要な手順をざっと見ていきましょう。

  1. 建てたい家のイメージをかためる
  2. 資金計画を立てて現実的な予算を決める
  3. 住みたい場所を決め土地を探し契約・登記をする
  4. 設計と施工をどこに依頼するかを決める
  5. プラン・見積もり比較・仮契約(ハウスメーカー)
  6. 設計を依頼する(設計事務所+工務店)
  7. 地盤の調査を行う
  8. 住まいのイメージを具体的にする
  9. 詳細な仕様の打ち合わせをする
  10. 最終的な見積もりを依頼する
  11. 工事の請負契約をする
  12. 建築確認申請の手続きをする
  13. 住宅ローンの手続きをする
  14. 地鎮祭を行う(現場着工)
  15. 建て方完了後上棟式
  16. 公庫融資の中間検査
  17. 完成、完成検査
  18. 引渡し
  19. 登記
  20. 登記後公庫融資の資金交付

家を建てるためには、ざっと見てもこれだけの事を1年間くらいの間で処理していかなくてはならなくなります。
とは言っても、夢を形にするためのことなので、楽しくわくわくしながら、あっという間に完成してしまうものです。

この全体の流れを理解しておらず、あれもこれも急いで決めさせられる・・・となってしまうと、せっかくの家作りがつらいものになってしまいます。

この家を建てる流れ・手順を理解して、事前に検討しておくべきことや、家族と相談しておかなくてはならないことを明確にしておきましょう。

家作りは事前の準備期間がとても重要なのです。

それでは、各項目についてもう少し具体的に見ていきましょう。

1.建てたい家のイメージをかためる

まずは、どのような家に住みたいのかを考えます。

雑誌・インターネット・住宅展示場などで、情報を集め、具体的なイメージを固める必要があります。

住宅展示場などで実際の建物を見ると、本当に自分が欲しい機能やデザインなどが見えてきます。
住宅展示場に行く前にカタログなどをインターネットで請求して、ある程度候補を絞ってから実際に見に行くと良いでしょう。
住宅展示場では当然セールスを受けるため、候補を絞っておかないと本当に見たい家を見れないで終わってしまうこともあるのです。

どんどん夢を膨らませて、理想の家の形を固めましょう。
ここで考えた希望やイメージの写真などは、しっかりメモをしておけば、その後の打ち合わせでも活用できます。

また、工事が始まると当初に立てた予定通りに工事は進んで行きます。そのための工事着工後は大きな変更はできなくなります。
そのための、より理想的な家を建てる為には、この事前のイメージ固めがとても大切になります。

ここは焦らずじっくりと検討して、自分たちにとっての理想の住宅のあり方を、家族みんなで共有できるようにしておきたいところです。

2.資金計画を立てて現実的な予算を決める

次はお金について考えます。

家を建てる上でもっとも大きな制約になるのが予算です。
今の収入だけでなく、今後の家族のライフプランも含め考えていく必要があります。
ローンはどこで借りるのか?いくらまで借りられるのか?
頭金はいくら準備できているか?何年で返すのか?
などを考えながら、住宅資金にいくら用意できるかを考えます。

ここで注意が必要なのは、住宅を建てるためには、工事費以外にもかかるお金があると言うこと。
設計費用や登記の費用なども含めた総費用で考えることが大切です。
その予算で、実際に建てられる家の大きさなどが明確になってきます。

3.住みたい場所を決め土地を探し契約・登記をする

どのあたりに家を建てるかは、会社との距離、子供の学校、実家との距離、周辺環境などで決めていくことになります。
大まかな場所が決まったら、法的な規制・道路状況・土地の形状・周辺の環境などに注意しながら、具体的に土地を探していきます。
良い土地が見つかったら、契約・登記を行います。
契約前には土地の抵当権などの権利関係についてもしっかりと確認をしておきましょう。

4.設計と施工をどこに依頼するかを決める

設計に入る前に、施工や設計をどこに依頼するかを決定します。
家を建てる場合は、大きく2つの方法があります。

・ハウスメーカー
・設計事務所+工務店

住宅展示場でモデルルームを見て納得できる場合は、ハウスメーカーでの設計施工となるでしょう。

しかし、ハウスメーカーでは納得いく家が作れないとなれば、設計事務所に依頼し、じっくりと時間をかけて設計を進めていくことになります。

場合によっては、工務店の設計施工となる場合もあるかもしれません。
その場合は、必ず設計施工で建てた住宅を見せてもらうようにしましょう。

5.プラン・見積もり比較・仮契約(ハウスメーカー)

ハウスメーカーで建てようと決まった場合は、数社から簡単なプランと工事費・資金計画の提示をしてもらいます。
プランはあくまでも最初に伝えたイメージをまずは形にしたものです。
細かな部分はこれから一緒に検討していくことになります。

しかし、こちらが伝えたイメージをどのように形にしてくるか。その後柔軟に要望にこたえてくれそうかはこの一発目のプランでかなりわかってきます。

どうしてもプランやパースなど提示された内容に目がいてしまいがちですが、重要なのは「これから一緒に家を作っていく」という気持ちが感じられるかどうかです。
強引に契約を迫ってきたり、こちらの話をしっかり聞いてくれないような営業マンでは、理想の家を作っていくことはできないので、注意が必要です。

プランの他にも、ハウスメーカーであれば資金計画も提示してくれると思います。
借り入れなどの相談にも乗ってもらえると心強いですね。

ハウスメーカーを1社にしぼったら、いよいよ詳細設計に進みます。
この段階で仮契約をする業者もあります。

6.設計を依頼する(設計事務所+工務店)

 

設計事務所に設計を依頼する場合に重要なことは、設計の担当者との相性です。
建築家・設計者にもいろいろなタイプの人がいます。
まずは「この人と長い時間かけて理想の家をつくっていかるか?」ということを自問してみましょう。

設計事務所も最初から一社に絞る必要もありません。
数社に連絡を取り、実際にあって話をしてみる。
その際に、自分の住宅のへの思いを話してみます。話が弾めば次の段階へ進みます。

自分のイメージを伝え、ザクッとプランを作ってもらいます。
基本プランのもっと前の段階のラフプランです。
ここまでなら通常は無料で対応してくれる場合が多いでしょう。

そのプランを数社比較してよいと思った事務所を1社に絞り込みます。
その後、基本設計の依頼をし、着手金を支払いプランの検討に進んでいきます。

7.地盤の調査を行う

家を建てる上で重要な地盤
杭が必要なのか地盤改良をするのかなどの判断をするために地盤の調査を行います。
地盤調査は、ハウスメーカーや設計事務所経由で行います。
費用がかかってしまいますが、大切な家を支える地盤の調査なので、ここはしっかりやってもらいましょう。

8.住まいのイメージを具体的にする

設計者が決まれば、住まいのイメージを具体的にしていく段階に入ります。
詳細な図面を書く前の全体の配置や間取りなどを固めていく段階です。

この段階で建物の外観イメージ、使い勝手、インテリア、設備の仕様、断熱の性能などが大まかに決まってきます。

設計事務所に依頼した場合は、この基本プランが固まった段階で一度概算見積もりを出してもらいましょう。
それで納得がいけば、正式に設計監理の委託契約を結びます。
ハウスメーカーの場合は、このながれのまま詳細設計に入っていきます。

9.詳細な仕様の打ち合わせをする

基本プランが固まったら、次は詳細設計に入ります。
詳細設計では、設備の仕様や、内装のグレード、造作家具の使い勝手、キッチンの仕様、照明器具、外構などをひとつひとつ細かく決めていきます。

できるだけ実際のサンプルやショールームなどで、現物を確認すると、出来上がってから「こんなイメージじゃなかったのに・・・」ということも防ぐことができます。
図面からイメージを膨らませていくのは、慣れないと難しいかもしれませんが、イメージパースや参考写真などを提出してもらいながら、納得いくまで打ち合わせを重ねていきましょう。

10.最終的な見積もりを依頼する

詳細な図面ができると、最終の見積もりに入ります。
ここで工事金額が確定します。
ハウスメーカーの場合は、実施設計が確定すれば、早い段階で見積書を提出してもらえるはずです。
オプションなどで設定した項目に落ちがないか、打ち合わせ通りの仕様で見積もりされているか、金額は打ち合わせ通りかをしっかり確認しましょう。

設計事務所に依頼した場合は、工務店数社に見積もりを依頼して金額を出してもらいます。
その見積書を比較して、施工業者を決定します。
この見積もりの段取りは、設計事務所がやってくれますので、見積もり依頼したい工務店があれば、事前に設計事務所に話をしておきましょう。

ハウスメーカー、工務店ともにここまで来ると当然契約したいと思っています。
ですので、ここは最後の値引きのチャンスでもあります。
遠慮せずに強気で最後の値引き交渉をしましょう。

11.工事の請負契約をする

工事金額が決まり、施工業者も確定したら、次は工事請負契約です。
あまり見慣れない書類かも知れませんが、しっかりと読んで納得して印鑑を押しましょう。

12.建築確認申請の手続きをする

建物の仕様が確定したら建築確認申請の手続きをします。
建築確認申請は2週間~3週間かかるのが一般的です。

建築確認申請がおりたら確認済証が発行されます。

この「確認済証」がなければ、工事を始めることができません。
今後の手続きや家が建ってからも必要になる重要な書類なので、大切に保管するようにしてください。

13.住宅ローンの手続きをする

建築確認申請がおりると、住宅ローンの手続きができるようになります。
どこでローンを組むかをこの段階で決めているとちょっと遅いので、事前に検討しておき最終手続きをするくらいの流れにしておきましょう。

住宅ローンはどこで借りるかで金利が変わってきます。
ハウスメーカーや工務店が推薦するローン会社もあるかと思いますが、自分でも事前に調べておいて少しでも有利な住宅ローンを使うようにしましょう。

14.地鎮祭を行う(現場着工)

工事着工の一番最初は地鎮祭です。
工事が無事に終わるように祈る神事です。
一般的には施工業者で段取りをしてもらえると思いますが、神主の謝礼などは施主が準備します。

15.建て方完了後上棟式

柱や梁などの骨組みを建て終わった時に行うのが上棟式です。
無事に棟が上がったことに感謝すし、この後の工事の無事を祈る式です。
儀式というよりもお施主さんが職人さんをもてなす「お祝い」的な意味合いが強いものです。

16.公庫融資の中間検査

公庫融資を利用している場合は、建て方完了時に中間検査が必要になります。
この検査には建て主の立会いが必要になります。
中間検査に合格すると、中間資金を受け取ることができるようになります。

17.完成、完成検査

内装や外構も完了し、いよいよ完成です。
工事が終了した時点で工事監理者立会いの下、完成検査(竣工検査)を行います。
この検査では、内外装の傷や設備機器の動作などを確認します。
施工業者を前にして、気になるところを指摘するのはなかなか勇気の要ることですが、この完成検査で指摘をしておかないと、後々厄介なことになります。
気になることや確認したいことがあれば、遠慮なく伝えるようにしましょう。

また、確認申請の完了検査も行う必要があります。
無事検査に合格すれば「検査済証」が発行されます。
この「検査済証」はとても大切な書類になります。
確認申請書、確認済証と一緒に大切に保管するようにしてください。

19.引渡し

検査が済んで、手直しの工事が完了した時点で引き渡しになります。
いよいよこの日から、建物はあなたの所有になります。
鍵の引渡書設備機器の取扱説明書工事関係の書類など、かなりの量になります。
普段使うものではないですが、大切に保管しましょう。

また、工事の途中では、設備機器の配置などが変更になることがあります。
施工業者さんに依頼して「竣工図」を製本してもらっておくと、今後の建物の維持管理に役に立ちます。

20.登記

竣工後1ヶ月以内に、建物の表示登記と所有権保存登記を行う必要があります。
土地家屋調査士や司法書士が行うことになりますが、竣工前後は何かとバタバタしてしまうので、事前に依頼しておくようにしましょう。

21.登記後公庫融資の資金交付

登記が済めば、公庫融資の資金が交付されます。

 


以上が、家を建てるまでの大まかなスケジュールになります。

ざっと見ただけでも本当にいろいろなことがあります。
この流れをしっかりつかんでおくと、事前に何を準備しておかなくてはならないかもわかりやすくなります。

理想どおりの家を建てるためには、段取りよく、先を見据えて行動することがとても大切です。

多くの人は、家を建てる!と決意してから1~2年後には住宅が完成します。
長いようで実際はあっという間だと思います。

夢のマイホームを納得行く形で作り上げるためにも、このスケジュールをしっかり理解しておきましょう。

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