家を建てるのに必要な費用はいくら?建築工事費の中身をのぞいてみよう

 

家を建てる事を考えるときに、多くの人がお金のことで頭を悩ませます。

家をたてるのに必要な費用はいくらなのか?
工事費には何が含まれる?
工事費以外にかかるおかねもあるの?

そういった家をたてるためのお金にまつわる不安を軽くするためにも、家をたてるために必要な費用の全体像をみていきましょう。

今回解説するのは「建築工事費」についてです。
諸費用」については次回解説します。

家をたてるのに必要な費用は 建築工事費+諸費用

家をたてるためには「建築工事費」と「諸費用」が必要になります。

建築工事費

工事業者に支払う費用や設計事務所に支払う費用のことです。

  1. 直接建物を立てるために必要な費用を「本体工事費
  2. 外構や解体工事などの「別途工事費
  3. 設計事務所に支払う「設計料

の3つに分けられます。

今回はこの「建築工事費」について解説していきます。

諸費用

印紙税や不動産取得税などの税金や、引っ越し費用など、直接的な工事以外にかかる費用です。
諸費用」もたくさんの項目があるので、解説は次にしたいと思います。

本体工事費には何が含まれる?本体工事の内容と坪単価について

本体工事費というのは、建物本体にかかる工事費です。

本体工事費は大きく分けると、基礎・柱・梁などの「躯体工事」、外壁・内装・屋根などの「仕上げ工事」、キッチン、浴室などの「設備工事」があります。

この中でも、設備工事については施工する会社で本体工事費に入れたり、別途工事にしたりと扱いが異なる場合があります。
どこまでが本体工事費に含まれるかは、事前にしっかりと確認しておく必要があります

ちなみにこの「本体工事費」というのが、一般的に言われる坪単価の金額です。

本体工事費は家をたてるために必要な総費用の70%~80%と言われます。

つまり、坪単価50万円の家の場合、その他の費用も含めると家を建てるために必要な総費用は70万円近くかかるということです。

坪単価の表記を安くするために、別途工事の範囲を広げている業者もあるくらいです。

坪単価の金額に惑わされないようにすることが重要です。

別途工事費になることがある項目を確認

別途工事費は建物本体に付属するものや、外構工事など本体以外の工事にに必要な費用のことを言います。

別途工事費は工事をする業者によって範囲が変わってきます。

  • どこまでが本体工事費にはいるのか?
  • どの項目が別途工事になるのか?

を事前に確認しておかないと、「えっ?これ別途なの?」といったことになってしまうので注意が必要です。

別途工事に含まれやすい項目をリストアップしておきます。
参考にしてください。

既存建物の解体費

土地が更地で建物が立っていなければ必要ありません。
最近は廃材処分が高くなっているので、木造住宅の解体処分でも1万円/㎡以上必要になるケースが多くなっています。

地盤改良工事費

地盤の改良については、土地の地盤によって大きく変わってきます。
軟弱地盤であれば、木造住宅でも地盤の改良工事が必要になってきます。
土地を新規購入されるのであれば、事前に地盤の状況を確認しておくとよいでしょう。

外構工事費

敷地境界のフェンスや塀、門扉、屋外駐車場、造園、植栽などが外構工事になります。
植栽などは最初から作り込まなくても、楽しみながらご自身で徐々に増やしていくということもできます。

照明器具工事費

建物に直接取り付けるダウンライトや浴室などの照明器具は本体工事に入っていることが多いです。
リビングや寝室などの照明は、様々なデザインが有り、好みに応じて選択していくので、本体工事と分けて設定している場合があります。
照明器具はインテリアのとても重要な要素になります。
インテリアにこだわりたい方は、それなりの予算を見込んでおく必要があります。

カーテン工事費

カーテンやロールスクリーンなども別途工事となるケースが多い項目です。
カーテンもこだわりだすとそれなりの金額になってきます。
照明器具と同じようにインテリアの主要な要素になりますので、多めに予算を見込んでおくと納得のいくカーテンを選ぶことができます。

空調工事費、特殊設備工事費

クーラーなどの冷暖房設備の配管・取付工事や床暖房、24時間換気システムなどは別途工事としてる場合が多くあります。
また、LANなどの特殊設備も多くの場合は別途工事となります。

屋外電気工事費・屋外給排水衛生工事費

屋外に設置する照明器具やコンセント、散水栓などは別途工事の場合が多くあります。
業者によっては外構工事に含む場合もありますが、本体工事費には含まれません。

引込工事費

引込工事とは電話やケーブルテレビ、通信回線などを引込む工事です。
上下水道は引き込み工事の他に負担金が必要になります。

このように見ていくと、かなりいろいろな工事が別途工事として考えられています。

ここに上げたのはあくまでも別途工事になりやすい工事です。
施工業者によっては、本体工事に含まれていたり、他のものも別途工事になっていたりすることがあります。
事前にしっかりと本体工事の範囲、別途工事の範囲を確認しておく必要があります。

ハウスメーカーは設計料がかからない?

設計事務所に設計監理を依頼すると、設計料が必要になります。

通常、本体工事費+別途工事費の10%~15%が設計料として必要です。

ハウスメーカーだと設計料がいらないのに、設計事務所にお金を払うのはもったいないと言う方もいらっしゃいます。

気持は良くわかります。

しかし、実際はハウスメーカーでも設計料は発生しているのです。
ただ、工事費の中に含まれる形になるので表に出てこないだけなのです。

設計というプロセスは、ハウスメーカーだろうが工務店だろうが絶対に必要になるものです。
ハウスメーカーにはしっかりと設計専門の部署があります。
家を設計するためには多くの時間が必要になります。
その時間人が働いていれば当然費用は発生します。
設計料は家をたてるためには絶対に欠かせない費用なのです。

設計事務所の場合、施工業者からは独立した存在となるので、施主と直接契約をして設計監理をすることになります。

こだわりの家を設計したい場合、感性の合う設計事務所と時間をかけて設計を進める必要があります。
また、監理では設計の意図がしっかり伝わっているか、品質的に問題ないかなどを、第三者視点で見てもらえる安心感があります。
コストに関しても、設計事務所は予算を管理することになるので、無駄なコストを削ることも、ローコストな設計とすることも可能になります。

結果的に設計事務所に依頼すると、良いものが安く建ったということもあります。
しかしこれも、依頼する設計事務所の力量次第

過去にどのような建物を建てているか、担当する人の経験はどうかなどを総合的に判断して、設計を依頼するかどうかを決めることが大切です。

・・・私は設計事務所勤務なので、どうしても設計事務所寄りの考え方になってしまいます。ご了承ください。

ハウスメーカーや工務店で建てるにしても、設計事務所に依頼をするにしても、設計のプロセスは家づくりにおいてはとても重要なプロセスであるということを認識しておくことが大切です。


以上、住宅を建てるときに必要になる工事費の内「建築工事費」について説明してきました。
家をたてるためには、この建築工事費の他に、税金や各種申請手数料などの「諸費用」が必要になります。
「諸費用」については次回解説をしたいと思います。

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