いくらかかるの?見落としがちな家づくりの諸費用一覧!資金計画にしっかり組みこもう

家づくりにかかる費用を計算するときに見落としがちなのが、建物や別途工事以外にかかる費用「諸費用」です。

諸費用にはいろいろありますが、大きくは税金各種手続きの手数料などです。引越し費用などもこの諸費用に含まれます。

この諸費用はそれぞれの状況によって変わってきますが、一般的には建築工事費の5%程度必要になると言われています。
諸費用は現金で払う必要があるものがほとんどなので、資金計画の際にはしっかりみこんでおかないと支払いができないなんてことになってしまうので注意が必要です。

ここでは、家作りにかかる諸費用の内容を把握して、いくらくらい必要になるのかを解説していきます。

こんなにあるの?家づくりに係る税金一覧

家を建てるためには様々な税金がかかってきます。
一つ一つはそれほど高額というわけではありませんが、それが重なってくるとそれなりの金額になってきます。
税金は理解するのが面倒な部分がありますが、必ず納めなくてはならないものでもあるので、しっかりと理解しておきましょう。

契約書にかかる印紙税

建築業者との請負契約書や、銀行から融資を受ける場合に作成する金銭消費貸借契約書を作成する場合に課税されるのが「印紙税」です。
収入印紙を契約書に貼って消印することによって納付します。

請負契約の印紙税に関しては2020年3月31日まで軽減税率が適用されます。

・登記で必要になる登録免許税

不動産の売買契約が成立すると、所有権移転登記や建物を新築した場合の保存登記を行う必要があります。
また、銀行などで住宅ローンを利用するときには、抵当権の設定登記が必要になります。
このような登記の際に課税されるのが登録免許税です。

土地取得時の土地所有権移転登記
2020年3月31日まで:評価額×⒈5%
2020年4月1日以降:評価額×2%

住宅新築時の所有権保存登記
評価額×0.4%

軽減税率:2021年3月31日まで
下記の条件を満たす場合の軽減税率:評価額×0.15%

①床面積(登記簿面積)50㎡以上
②新築又は所得後1年以内に登記されたもの
③自己居住用の住宅

住宅ローンの抵当権の設定登記
債権金額×0.4%

軽減税率:2021年3月31日まで
住宅用家屋の軽減税率:評価額×0.1%

・工事費にかかる消費税

新築住宅の購入や家の新築には消費税がかかります。
ただし、土地には課税されないので、課税対象は建物分の価格です。
個人が売主の中古住宅、土地の購入については消費税はかかりません。

※2019年10月1日から消費税が8%から10%に引き上げられる予定です。
8%の消費税で住宅を購入するためには、2019年9月30日までに「引渡し」を受ける必要があります。

・不動産取得税

不動産の購入や住宅の新築など、不動産を取得した時に課税されるのが不動産取得税です。
取得後6ヶ月〜一年半くらいで届く納税通知書を使用して納付します。

土地・建物の税額=固定資産税評価額 × 4% となります。
ただし、土地および住宅は2021年3月31日までは3%の軽減税率があります
宅地:評価額 × 1/2 × 3%
住宅:評価額 × 3%
(住宅以外の家屋は4%です)

また、下記の条件を満たせば軽減措置を受けることができます
軽減措置を受けると、建物については評価額から一定額が控除されることになります。
1997年4月1日以降に建てられた住宅であれば1,200万円控除されます。

▪️軽減措置を受けられる建物の条件

・床面積が50㎡以上240㎡以下
・所得者の居住用、又はセカンドハウス用の住宅
1982年1月1日以降に建築されたもの、または新耐震基準に適合していることが証明されたもの。
更に、長期優良住宅に認定された新築住宅の場合、控除額が100万円上乗せされて1,300万円になります。

住宅用の土地については、上記の条件を満たす住宅が建っている場合に、以下のいずれか多い額が不動産取得税の税額から控除されます。
(1)4万5000円
(2)土地1㎡当たりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡が限度)×住宅の取得持分×税率(3%)

・固定資産税

固定資産税は土地、建物などの固定資産を1月1日時点で所有している場合に課せられる税金です。
金額は市町村の決定した固定資産税評価額に基づき、その年の4月1日から翌年3月31日までの分が課せられます。
1月1日時点で建物が建っていない土地については、住宅用地ではなく一般の土地として課税されます。

住宅用地と新築住宅の建物に関しては、軽減措置が適用されます。

土地の場合

小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準額×1/6×1.4
一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額×1/3×1.4

例えば、300㎡の敷地に住宅を建てた場合、200㎡が小規模住宅用地、100㎡が一般住宅用地となります。

※住宅用地とは、専用住宅の土地または併用住宅で1/4以上が居住に用いられる土地のことです。
※上記軽減措置は、建物の課税床面積の10倍が上限です。

建物の場合

新築住宅は120 ㎡ (課税床面積)までの部分について3年間・5年間にわたって固定資産税が1/2(2020年3月31日までに新築された場合の特例)となります
3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅・・・新築後5年間
一般の住宅(上記以外)・・・新築後3年間
専用住宅・店舗併用住宅(店舗併用住宅の場合、居住用部分が1/2以上)
居住部分の課税床面積が一戸につき50 ㎡ 以上280 ㎡ 以下であること。(貸家住宅の場合一戸につき40 ㎡ 以上280 ㎡ 以下)

長期優良住宅の場合は、一戸建てが3年間減額されるところ5年間に延長される優遇措置があります。

・都市計画税

都市計画税市街化区域内にある土地や建物について課税される税金です。
金額は市町村の決定した固定資産税評価額に基づき、その年の4月1日から翌年3月31日までの分が課せられます。
1月1日時点で建物が建っていない土地については、住宅用地ではなく一般の土地として課税されます。

一般の土地の税額は、課税標準額×税率(0.3%)が基本となりますが、住宅用地については軽減措置があります。

土地の場合

小規模住宅用地(200m2以下の部分):課税標準 × 1/3 × 0.3%
一般住宅用地(200m2超の部分):課税標準 × 2/3 × 0.3%

建物の場合

原則、軽減の特例はありません。
市区町村によっては、軽減の特例を設けている場合があります。

【手続き別】税金以外に必要な諸費用

住宅を建てる時に必要な税金だけでもかなりの種類がありますね。。。
諸費用は上記の税金以外にも必要なものがあります。
ここから先は税金以外に必要な諸費用を手続きごとでみていきましょう

工事関係で必要な諸費用

工事関係で必要になってくる諸費用をみてみましょう。

確認申請申請料

建築の確認申請で必要になる手数料です。
一般的には施主の負担になるものですので、事前に準備しておく必要があります。
なお、確認申請手数料は提出する審査機関によって変わってきます。一度設計士に確認してみると、もう少し安いところがあるかもしれません。

近隣挨拶関係費

工事が始まる前に行う近隣挨拶の時の手土産代などです。
そんなに高額なものを用意する必要はありませんが、規模が大きな住宅だと、挨拶をする範囲も増えてくるため、それなりにかかってくるので注意が必要です。

地鎮祭費用

地鎮祭の費用の施主負担分です。
契約の際にどこまで工事費に含まれているかを確認しておくと良いでしょう。

上棟式・竣工式費用

上棟式や竣工式を行うときに必要になる費用です。
最近は上棟式や竣工式を行わないケースも増えているようです。
行うのであれば、契約の際に話をしておくと良いアドバイスがもらえるかもしれません。
また、工事が始まってから、現場の職人さんたちにお菓子や飲み物を差し入れする場合もそれなりの費用がかかってきます。

引越し時に必要な諸経費

新たに土地を購入するにしても、今ある家を解体して新たに家をたてる場合も、新しく立った家への引っ越しは必要になってきます。
引っ越しはお金も時間も体力もかなり必要になってくるので、 早い段階からしっかりと計画を立てておく必要があります。

新居への引越し代

新居への引越し代です。今の家の大きさと家財の多さでかなり金額は変わってきます。
また、時期によっても引越し費用は大きく変化するので注意が必要です。
どこまでを業者に依頼するかによっても金額は大きく変わってきます。
家が建つ前後は様々な手続き等で忙しくなってくるものなので、できるだけ専門業者にいらいして、自分たちの時間をあまり引っ越しに取られないようにしておくことをオススメします。

住宅を建てる間の仮住まい

もし、今ある家を解体して新たに建て替えるという計画であれば、工事期間中の仮住まいが必要になってきます。
条件に合う物件がすぐに見つかるとも限らないので、早めに手配しておく必要があります。

登記関係で必要な諸経費

土地や建物を登記するためには、司法書士などに依頼して手続きをする必要があります。
また、住宅ローンを利用する場合は、抵当権設定も必要になるので注意が必要です。

建物表示登記

建物表示登記を行う際の土地家屋調査士への報酬です。
依頼する先や建物規模によって当然変わってきますが、相場的には8万円前後の場合が多いのではないでしょうか。

土地所有権移転登記/建物所有権保存登記

こちらは土地購入時の土地所有権移転登記または建物完成時の建物所有権保存登記に要する司法書士への報酬です。
土地所有権移転登記で4〜5万円程度、建物所有権保存登記で3万円程度が相場でしょう。

抵当権設定登記

住宅ローンを利用する場合は、抵当権の設定が必要になります。その抵当権設定登記にかかる司法書士への報酬です。
相場としては5万円弱というところでしょうか。

上記のうち建物表示登記以外は、登録免許税が別途かかるので注意が必要です。

ローンで必要な諸経費

多くの人が利用するであろう住宅ローンにも、いろいろな諸経費がかかってきます。
住宅ローンは借りる金額も大きいので、手数料等もかなりの金額となってきます。
資金計画の中でも外せない項目でもあるので、しっかりと確認しておきたいところです。

ローン手数料

ローンを利用する際に必要な手数料です。
公庫を利用する場合は融資手数料、銀行の場合は事務手数料と言います。
取引先によって金額やタイミングが変わってきますので、事前に確認が必要です。

保証料

住宅ローン契約の際に連帯保証人の代わりに保証会社を利用する時に必要になる費用です。
公庫の場合は保証協会、銀行の場合は保証会社に支払うことになります。
一括支払いの場合は契約時に全額準備しておく必要があります
分割払いの場合は住宅ローンの返済に上乗せする形で返済していきますので、契約時に準備する必要はありません。
どちらを選択するかはメリット・デメリットがありますので、状況によって検討する必要があります。
保証料は規模やローンの契約条件によって変わってきますが、一般的には数十万円、多い場合だと100万円を超える場合もあるので、事前に計画を立てておく必要があります。

火災保険料

ローンの担保となる住宅の火災による被害に備える損害保険の保険料です。
火災保険は月払いもできますが、長期契約の一括払いが圧倒的にお得です。当初の負担は増えますが、可能であれば長期契約をお勧めします。

諸費用はいくら用意すればいいのか?

ここまで住宅を建てる際に必要になる諸費用をざっとみていきました。
簡単に説明しただけなので良く分からない項目もあるかもしれません。
ここでは、これくらいに工事費以外に必要なお金があるんだなということを理解していただければ良いと思います。

では、結局のところ上記の諸費用を全て合計するといくらかかるのか?
それは、ひとつづつ積み上げて計算していくしかありません。
建物の規模や仮設が必要かなどでかわってくるものなので、一概に言うことはできませんが、資金計画の段階では、最低でも本体工事費+別途工事費の5%程度必要と思っておきましょう。

以上のように、家を建てるためには本体工事費や別途工事の他にも結構なお金が必要になってきます。
あとで困ることがないように、資金計画の段階から諸費用はしっかりと見込んでおくようにしましょう。