家づくり 絶対後悔しないための敷地調査のポイント

前回は住宅を建てるための周辺地域の状況を確認しました。
自分達の望むライフスタイルに合致する地域が固まったら、次は具体的な敷地(土地)選びです。
広さや価格で決めがちな土地ですが、実はそれ以外にもたくさんのチェックポイントがあるのです。
理想の家を建てるために、敷地自体でもいろいろな状況を把握しておかないと、「こんなはずじゃなかったのに・・・」ということにもなりかねません。
今回は敷地そのものの状況を調査する際のポイントを説明していきます。

そもそも敷地の何を確認すればよいのか?

住宅のための敷地調査といっても、何を確認するの?と思うかもしれません。
敷地の状況で確認するべきことは、
理想的な住宅を建てるために大きな制約になるようなことがないか?
コスト的に余分にかかるようなことはないか?
ということです。
例えば、敷地の形状によっては、望んでいる間取りができないかもしれません。
下水道が通っていない場合は浄化槽になったり、都市ガスがなければプロパンガスになったりします。これはイニシャル・ランニングコスト共に直接的に影響してきます。
事前にそのようなことを想定して、より良い敷地を選ぶために調査を行うのです。

敷地状況調査の具体的なポイント

ここからは敷地状況を調査する際のポイントを具体的に見ていきましょう。

周辺環境的な条件

周辺環境については前回の記事で説明しました。
街並みや住環境、隣接地の状況などを事前に確認しておく必要があります。
詳細なチェックリストもダウンロードできるので是非活用してください。

https://www.yumenosumika.com/tochi-sagasi/shuuhen-kankyo/

それ以外のチェックポイントもいくつかあるので見ていきましょう。

道路の向きや幅員(道路付け・接道条件)

道路の向きは建物の配置計画等に大きく影響してきます。
一般的には、南側道路・東南の角地が最も条件がよく、その次に東側・西側、条件的に一番良くないのが北側道路と言われています。
道路については、向きの他にも幅員や交通量、旗竿敷地など、住宅を立てる際に大きく影響してくる条件でもあるので、別途解説をしたいと思います。

日照・通風は良いか

自然の採光通風は生活の質を高めるためにも重要な条件になってきます。
実際建物を設計する際にも、いかに自然の光と風を建物の中に引き入れていくかは、毎回大きなテーマになってきます。
そのためには、敷地にゆとりがあるか、隣の建物の位置関係などを事前にしっかりと確認しておく必要があります。
お隣さんについては、将来的に建て替えなどの可能性もあるため、隣に影響されない程度に敷地に余裕があることが理想的です。
また、日照は道路付けによってもかなり左右される部分です。

湿気が高かったり、水はけが悪い土地ではないか

建物にとっては湿気は大敵です。
湿気があるということは、周辺よりも敷地が低く雨などが流れ込んでくる敷地かもしれません。
ジメッとした環境では、カビが生えたり建物の老朽化を早めることにもなるので、住宅用地としてはオススメできません

敷地の形状・段差や形状

住宅用の敷地は整形である方が建物を建てやすいため人気があります。
ハウスメーカーや工務店に設計してもらうなら、出来るだけ敷地の形状は整形である方が良いでしょう。
設計事務所の場合、不整形な土地の方が喜んで受けてもらえるような場合もあります。設計士の腕の見せ所と言うのでしょうか(^_^;)
整形な土地に真四角の家を建てるのがコスト的にも断然有利になってきます。
敷地内の段差や傾斜についても、出来るだけ平坦な方が良いでしょう。
傾斜地の場合は、造成によって擁壁が必要になったり土工事が増えてコストが高くなることがあります。

間口の広さは何mあるか

住宅用の敷地では、一般的に12m以上が理想的◎8m以上ならよし◯5m以上でなんとかOK△5m以下だとちょっと厳しい▲と言われます。
これはあくまでも一般的なはなしなので、5m以下の敷地では住宅が建たないのか?と言われれば決してそんなことはありません。
ただ、間口が広ければ、駐車場のレイアウト等にも余裕が出てきますので、毎日の車の出し入れ等でストレスを感じることも少なくなるでしょう。
また、ハウスメーカー等のプランですは、やはりそれなりの間口を想定したプランが多いのも事実です。

敷地は十分な広さか?

敷地の広さはもちろん広い方がいいです。当たり前の話ですよね(^_^;)
しかし、広くなればその分値段も高くなるので、広さと価格の現実なバランスをとることになります。
しかし、こんなプランの家が欲しい、家族が多かったり二世帯で住むなど、事前に決まっている条件がある場合は、最低限の敷地面積は確保しないと実現できなくなります。
そのためには、ある程度プランのイメージや必要な建物の面積を確認しておく必要があります。
その上で、建てたい建物に対して余裕のある敷地面積は確保しておきたいところです。

道路との高さ関係は?

水害等のことを考えると、敷地は道路より少し高くなっているのが理想的です。
ほぼフラットであれば、家を建てる時に高さ関係を注意すれば特に問題はありません。
道路よりも敷地が低くなっている場合は、大雨などの時に敷地内に水が入り込んでくる可能性が高くなります。できれば前面の道路よりも低くなっている敷地は避けましょう
また、両隣のお家が玄関の高さをあげているような場合は、過去に水害で水位が上がった時の情報を確認しておきましょう。過去の経験から建物の床の高さを決めることが多いので、隣家の床の高さは参考になります。

地盤は良いか

地盤の状況は、建物を建てる時にはとても需要になる条件です。
仮に地盤が良くなくても、地盤改良などにより地盤を補強して家を建てることは可能です。しかし、そのための工事費がかなりの金額になることがあります。
できれば地盤の状況が良好な土地を選びましょう。
土の中は目で見ることができないので、可能であれば地盤調査の結果を確認してから購入するかどうかを決定したいところです。
もし地盤調査の結果がないようであれば、ダメ元で不動産業者に依頼してみましょう。
場合によっては事前に調査をしてくれる良心的な不動産屋さんがいたりします。

登記上の条件

後から大きな問題にならないように、下記にリストアップする登記上の記載事項については事前にしっかりと確認しておきましょう。

  • 地名・地番
  • 地目(宅地・田・畑・山林・その他)
  • 登記面積
  • 実測面積
  • 所有権(自己所有地・借地)※借地の場合は地主
  • その他:抵当権など

建築基準法・都市計画法による法的制限

建築基準法や都市計画法による敷地にかかる法的な制限としては、別の記事でも説明している用途地域から高さ制限・建築協定まで、様々な規制がかかってきます。

実際のところ、これらの法的規制は設計士などの専門家でないと詳しい内容を把握することは難しいかもしれません。
土地探しの最終段階で下記のチェック項目を元に、設計士などの専門家に具体的なアドバイスをもらうようにすると安心です。

  • 都市計画区域
    市街化区域・市街化調整区域・未線引区域
    都市計画区域・準都市計画区域・準都市計画区域外
  • 用途地域
    第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域
    第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域
    第1種住居地域・第2種住居地域・準住居地域・近隣商業地域
    商業地域・準工業地域・工業地域・工業専用地域・なし
  • 防火地域
    防火地域・準防火地域・法22条区域・指定なし
  • 建ぺい率・容積率
  • 高さ制限
    絶対高さ制限 あり(高さ m)・なし
    道路斜線勾配
    隣地斜線 あり・なし
    北側斜線 あり(高さ m以上で勾配 )・なし
    建築協定
    その他の制限

敷地が接する道路の状況

敷地が接する道路の条件は建てられる建物の形状にも大きく影響してきます。
下記の項目程度は事前に市役所等で確認しておきましょう。

  • 道路の所有 公道(名称: )・私道(所有者: )
  • 道路幅員( m)
  • 敷地と接する長さ

インフラ設備の状況

水道や電機などのインフラについては、近くまで本管が来ているかどうかで、採用する設備が変わってきます。また、コストにもダイレクトに影響があるため、しっかりと調べておきましょう。

  • 水道 :公営・私営・井戸
  • ガス:都市ガス・プロパンガス
  • 電気 : 電力
  • 雨水・雑配水:本管・U字溝
  • 汚水:下水道(水洗放流)・浄化槽・汲取り

最終的な土地選びは専門家と一緒にしよう

以上、土地選びの際に実際に確認しておきたいチェックポイントを説明してきました。
実際のところ、ここに書かれていることの詳細を全て理解するのは、建築や不動産の専門家でなければ難しいかもしれません。
最終的に土地を選ぶ時に、設計士などの専門家と一緒に敷地を見に行くときに事前に確認しておきたいチェックポイントとして活用することをお勧めします。

住宅を建てるためには、法的な条件や敷地条件などを総合的に判断して、希望の住宅を建てることができる土地を購入しなくてはなりません。

出来るだけ早い段階で、信頼できる設計士と一緒に敷地を見て回ることができれば、土地の選定で失敗することは少なくなると思います。

是非上記のチェックポイントを土地探しに活用してみてください。

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